めちゃくちゃ面白かったので、いつものノリで付箋をつけながら読んでたら、ものすごい量になりました。
この本は、男の身体の神秘・構造について、
二次元妄想だけじゃなく現実を見て、
- マニアックAV監督 二村(にむら)ヒトシさん(なんと実写ふたなりAVを撮った人らしい。その発想はなかった)
- おなじみやおい評論家金田淳子さん(路地裏で受けが輪姦されるシチュが何よりも好物)
- そして進行役の、編集者さん?で腐女子の岡田育さん
以上の3人が、三次元の視点から迫るっていう本なんだけど、
Contents
結論
三次元の身体もBLの二次元男とたいして変わらなかった。
日頃、ファンタジーとして読んでるBL作品の中での出来事が、
読み終わる頃には、ファンタジーどころかほぼ実録じゃんってことが
よくわかるようになります。
それもそのはず。
男女問わず数えきれないくらいの裸体を見てきた二村ヒトシさんのコメントは、
真実味っちゅーか重みが違いました。
★文庫版も出ました!
やおい穴派閥表 キミはどれだ?
(メディアファクトリー ”オトコのカラダはキモチいい”より)
第1章では、このような”やおい穴派閥の一覧”っていう表が出てきます。
みなさんは何タイプですか?
ちなみにご覧のとおりうんこだのま○こだのを
躊躇なく言うのがこの本の中では普通なので、
この時点で「あー無理」という方は恥じらいがなくなってから出直しましょう。
で、自分は
Ⅰ-②「セクースのときだけアナルがやおい穴に変化するよ派」(急進的ご都合主義派)
ですね。
まさか尻の穴にち○こが入るわけがない
自分が本格的に腐ったのは小学校6年の時ですが、
当時、ホームページで裏ページを必死に探して男同士のエロ小説を読んでたときは、
「まさか尻の穴にち○こが入るわけがない」と思ってました。
「だって痛いじゃん、そんなのありえない」と。
どうやっても無理でしょ?と思っていたので、
「きっと、タマキンと*の間に、都合のいい穴があるんだ」
と本気で思ってました。
まあそれって今思うとふた●りみたいなもんですよね。
数年後、実際にちゃんと手順を踏めばケツの穴にもち○こは入るって知った時は、
それはそれで最初の衝撃をぶっ飛ばすくらいの破壊力がありましたが・・・。
今は、都合のいい*派かな。
自分はBLに関しては地雷というものがないので、
”こういうエロやカップリングが見たい!”っていうよりかは、
何も考えずその漫画・小説を読んで、
「そういうのもあるのか!」
ってその作家さんが投げてきた球をキャッチして新しい萌えを開拓することに幸せを感じます。
「これがこうじゃないとだめ!」っていう強いこだわりはなくて、
どっちかというと受動的だと思います。
だから、ゴムをちゃんとつける描写をいれる作家さんとか、
ちゃんと尻を洗って準備するとこを書く作家さんいるけど(こっちは小説のほうが多いかな)
自分は本の中で書かれているこの岡田さんの意見と同じ。
私はたぶん、オリジナルBLではリアルな肛門性交のほうが好きなんですよ。
腸内洗浄の描写とかリアルで構わないし、それを余計な表現だとも思わない。オトコのカラダはキモチいい/P29より
すんなり入るよ穴でも、念入り準備穴でも、どっちも大好きです。
けどね、後者は絶対に避けて通れない致命的な問題があって、
漫画でこれをやると圧倒的にページ数が足りなくなる
ってことなんだよね。
ほんと問題はこれだけ。
これも本の中で語られてますけどw
”ページ数”っていうリアルな数字とは戦わざるをえない。
だから、BLがファンタジーなのは、
ある程度こういうビジネス的な面で仕方ないところもあるのかな?と思います。
前立腺が気持ちいいのは真実だった!
(メディアファクトリー ”オトコのカラダはキモチいい”より)
前立腺は、BLの中では万能の器官として崇められていますが、
それは三次元でも間違っていなかったということが判明しました。
っていうかホントにファンタジーと思ってた二次元とほぼ一緒なんですよ。
違うのは「そんなにすぐすんなり入るわけない」ってことくらいで。
二村:(尻をいじると)何千人もの女性をペニスでヒイヒイ言わせてきた男優さんが、
カメラの前でヒイヒイ言って悶絶しちゃいますからね。オトコのカラダはキモチいい/P50より
うるせーよ!どうせまたキモオタ女の寝言だろ!?
現実と妄想を一緒にするな!
って思うかもしれないんですけど、
スーパーAV監督の二村ヒトシさんが直々に経験を元に語っているので
重みが違います。
漫画や小説に出てくる前立腺って、99.9%がコリコリしてますけど、前、
「コリコリしてるのってガンの可能性があるので
毎回読むたびに心配になって萌えどころではなくなってしまう!」
みたいなツイート見かけた気がするんだけど、真相はどうなのかなあ。
それは書いてなかったなあ。
雄っぱいについて
雄っぱいについてのページで、
雄っぱいを開発しすぎて乳首おっきくなりすぎてやばい
っていうM男代表の男性と、その女王様がゲストで来ていろいろと語っているんですが、
このM男の方、乳首が親指の先くらい長いんだって。
えっと、ロケットおっぱいならぬロケット乳首ってこと?
乳首が無限に伸びるエロゲはやったことありますけど・・・
面積かと思ったら、飛び出てるところの長さがってこと?らしい。
そしてこの方の年齢がすごい
(メディアファクトリー ”オトコのカラダはキモチいい”より)
なんと、正真正銘年季の入った70代のお方!すげー!超元気!!
これくらいろんな意味で現役でいたいものです。
乳首を開発すると、大きくなるし、ちゃんとそこだけでもイけるようになるらしいです。
ち○こと連動するようになるんだって。これもBLと一緒ですね。
これ、ここまで読者の期待を煽っておいて、
当人のがっちゃんさんの乳首の写真がないっていうそれだけが残念!!
どういうことなんだ!!
そこまでいうからには、親指大の乳首載せてくれますよね!?と思ってたんだけど・・・
乳首は別に発禁にならないですし。
(メディアファクトリー ”オトコのカラダはキモチいい”より)
最後の
「攻めの乳首はもっと主張すべき、責められるべきだ!」
っていうページで、
「クロネコ彼氏」の受けがち○こを攻めの乳首に擦り付けるシーンがピックアップされてるんだけど、
見事にボカシ入っててワロタwww
すでに修正して一般書として売られているはずなのに、更にかけられる修正www
ディアプラスがギリギリなところで日々格闘しているというのが改めてよくわかった1コマでした。
(参考欄に「エッチな人は単行本を買って確認しよう!」って書いてあったw)
事実は小説より萌えなり
第三章では、
「リアルゲイの方のお話なしにBLは語れない!」
ってことで、二村さんのお友達のゲイの方がゲストで登場して、
初恋の話から初めて掘られた時の感想まで語っているんですが、
この人はずっと突っ込む側(タチ)だったんだけど、その”初めて掘られた時の話”がヤバかった
30代になってから、あるゲイ男性に
「どうしてもお前を掘りたい」と耳元で何度も言われまして。相手がきれいな男の子だったら、「そんな醜態を見せるのはイヤだ」と思ったはずなんですが、
幸か不幸か、ダサダサのオッサンだったんです。(中略)シャワ浣から何から全部教わり、掘られたんですが・・・
いつの間にか彼のことを本気で好きになっていました。
オトコのカラダはキモチいい P180より
>「どうしてもお前を掘りたい」を耳元で何度も
そのシチュめちゃくちゃいい すげーいい
何回も言われると催眠状態みたいになって
「もーいいかなー・・・」
って単に投げやりなんじゃなくて愛のある投げやりになるというか
何がなんだかわかんなくなってきちゃう感
現実では、小説より悲惨だったり、凄惨だったり、また、とんでもないアホな事件が起こったりしていますが、
現実のゲイ業界でも「事実は小説より萌えなり」ということが証明されました。
萌えすぎて他の話がすべてぶっ飛ぶくらいの破壊力だった
よしながふみ著「きのう何食べた?」はゲイの間でも人気
(メディアファクトリー ”オトコのカラダはキモチいい”より)
嬉しかったのが、よしながふみさんの「きのう何食べた?」が、
ゲイの間でも好評ということ!
ゲイの方からしたらウザいリアクションこのうえないと思うが、それが知れてめちゃくちゃ嬉しかった!
この漫画はよしながふみ作品の中で、ずば抜けて
「どこから読んでも面白い」
「読み出したら止まらない」
漫画だと思うし、
みんながあえて描写しない親子関係のギスギスを真っ向から描き、
むしろそれをメインテーマにするってよしながふみじゃないとできないことだと思うんだよね。
本人の得意分野ってとこもあるがw
だから、読者が引きつけられる部分は、ケンジとシロさんの2人の生活ってより、
「親との関係性」に惹かれるんじゃないのかなあと思います。
これって40~60歳くらいの主婦が一番楽しく読めると思ってんだけど、自分のカーチャンに
「この漫画に載ってるレシピを作ってくれ!」って建前で読ませようとするんだけど、
「絵がヤダ」と言ってなかなか読んでくれません・・・。
昔、2chで見かけた
「よしながふみ漫画のあの食パンみたいな顔になるところが嫌い」
っていう意見思い出した。
本気で人体の神秘について知れる
・前立腺をいじられると現実の男も気持ちよくなる
・乳首だけでイけるようになるのは十分可能
・開発すればするほど乳首とち○こが連動
以上が三次元のどんな男でも開発可能な部位です。
何回も言うようですが、
意外とBLってファンタジーではない。
つまり、大人の事情で”*の中を綺麗にする描写などを濃密に描けない”
っていうビジネス的な面をのぞいては、あんまり大差ないですよ。
それが実際のドMな方や、女王様の説得力のあるトークから、
科学的(?)に知れて、人体の神秘に感動しました。
(メディアファクトリー ”オトコのカラダはキモチいい”より)
ムカつく上司などに何かめんどくせー説教をされたときは、
「こいつも乳首と穴を開発してやればいろんなもん垂れ流してヒィヒィよがるんだな」
と思えば、怒りも急速に収まっていくかもしれません。
自分は三次元はグロ、汚えものを見せるな!派なので、ゲイビやAVは絶対見ませんが、
三次元ビデオを見るのも好き!という方には、最高に楽しめる本になってると思います。
絶対二村さんの撮った作品全部見たくなると思うww
そうそう、今回、乳首のページでエロ漫画研究家の
稀見理都(きみりと)さんがゲストでいらしてたんだけど、
稀見理都さんが発行してる同人誌”エロマンガノゲンバ”いつも買ってるのでなんだか嬉しかったですねー!
井ノ本リカ子さんとBENNY’Sさんのインタビューの巻面白かった。
BLもエロ漫画もどっちも描かれてるこの2人。大好きです!
人生に刺激がない、絶望している男子へ
「死にたい!」
「会社行きたくない!」
「人生はバグゲー」
と、今、死んだ魚のような目で毎日生きている男子は、
1回死んだと思ってアナルを開発してみるべきだと思います。
このブログを見てる男子がいるのか全くもってわかりませんが、
これは本気で言っています。
AV撮影で女優さんからアナルを責められた男優さんに感想を聞くと、
「女性の気持ちがわかるようになりました。
明日から女優さんにもっと優しくなれます」
っていう人もいますよ。オトコのカラダはキモチいい/P206より
尻を開発すると、人に優しくなれる。
2015/03/30 追記
著者の金田淳子さん&岡田育さんに、この記事をツイッター上で紹介していただきました!
とても光栄です。ありがとうございます!
うおおおおおなんと素晴らしい記事!! 要所要所でおもしろ画像を入れて、この本のポイントを語ってくださりありがとうございます!! がっちゃんさんのスゴイ乳首が収録されてないのは、芸能人でもない方ですのでお察しください!鏡ゆみこ女王様のお店に行ったら見れるかも!? @bl_numa
— 金田淳子2/27オトコのカラダはキモチい (@kaneda_junko) 2015, 3月 29
書評! ありがとうございます! 本文読めないまま買おうかどうしようか迷ってる人にはすごく参考になるかと! / “前立腺マジックは幻想じゃない!【オトコのカラダはキモチいい】二村ヒトシ・金田淳子・岡田育 | 年下攻めとエロがあればい…” https://t.co/5dIYR6xJgB
— 岡田育 / Iku Okada (@okadaic) 2015, 3月 30